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焼き場

母の弟が亡くなった。つまり私の叔父さんということになる。
民俗学的には男子にとって母方の叔父は重要であって 特別の関係にあるとされている。
それほど頻繁にあっていたわけではない 年に23度会てもちょっと話すくらい。
ただ 涙をながしながら 自分の辛い心持ちを語りかけられたことがある。おそらく 甥であるわたしにだけ。
焼き場には 太ってメガネをかけた男ともうひとりいた。
最初に ひとつの歯をふたりではしではさんで壺に入れるのだそうだ。
カチンと叔父さんの歯が 磁器の壺のそこにふれて音がする
この音 どこかで聞いたことがある
それは こどもに初めてはえた歯が初めてガラスのコップにふれてでた音
カチンと
その音は 再び 陸にひきあげることができないほどの深い海の底に落ちてゆく

そのふたつの音の間にある
長いような 短いような 時間

太った男に 手の指の骨はどれかときいて できるだけ拾った
そっちで困らないように
見比べたことはないけど きっと 私とおなじ手を持っていたはずの叔父さん
さようなら
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